2015年12月19日土曜日

経営コンサルタント失格「父娘戦争に勝利した大塚久美子社長の正念場(2)」に見る無能さ

山田修Jr.です。
わたくし、競争戦略の基本中の基本がわかっておりません。


ところで、
『山田修の戦略ブログ』に以下の記事を見つけた。

「これでMBAか?」と呆れるほど無能だな。



「父娘戦争に勝利した大塚久美子社長の正念場(2)」
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2015/11/blog-post_30.html


以下、引用。

経営学者マイケル・ポーターの三大戦略でいうと、「コスト・リーダーシップ戦略点」に位置するニトリとイケアは成功している。一方、「差別化戦略点」に位置取りしたのが高級路線のカッシーナだ。これも成功している。ただし、対象が富裕層となるので店舗数は4つと限定的に展開している。

 ポーターの三大戦略の3つ目は、「どちらかに特化せよ」というものなので、中級路線というのはまずいよ、ということになる。


マイケル・E・ポーター(以下、ポーター)は有名な米国の経営学者であり、競争戦略の大家である。

そんな大家の「3つの競争戦略」もろくに理解していないのは、高齢だからではなくきちんろ理解できる脳ミソが足りないからだろう。


ボケ老人は、「「差別化戦略点」に位置取りしたのが高級路線のカッシーナだ。これも成功している。」とのたまっているが、同社の2014年12月期決算は売上高76億円、当期利益7.5億円(営業利益5.3億円)である。


カッシーナ連結決算
http://www.cassina-ixc.jp/Kessantanshin/tanshin(all)_2015.2.13.pdf


もちろん、利益が出ていることを成功と呼んでいるのだろうが、規模が小さい会社であり、大塚家具の2014年12月期決算の売上高555億円に比べることがおこがましい。ちなみに大塚家具の同期の当期利益は4.5億円だった。ただ、営業利益で見ると-4億円であるから、これをもって失敗と言いたいのだろう。しかし、2013年の営業利益は8.4億円ある(売上高は562億円)。


ボケ老人の指摘の問題点は「コストリーダーシップ戦略」を低価格、「差別化戦略」を高価格と短絡的に位置付けている点である。


ゆえに、挙句の果ての結論が「ポーターの三大戦略の3つ目は、「どちらかに特化せよ」というものなので、中級路線というのはまずいよ、ということになる。」となってしまっている。別にポーターは「中級路線はダメだ」とは言っていない。


そもそも「コストリーダーシップ戦略」というのは、ローコストを戦略の中心に据えて、会社のコストを可能な限り抑えることで、価格競争を仕掛けることができるという強みをもてるような力を磨いていくやり方である。そして、このコスト優位性を武器に拡大を目指すのである。だからといって「低価格」である必要はない。ローコスト経営だからこそ、高価格で数量が出なくても経営が成り立つというやり方もあるのだ。

続いて「差別化戦略」というのは、他社との特異性に注目して競争力を高める戦略だ。確かに差別化されているので「高くても売れる」ということが成り立つ。しかし、これが「高価格」である必要はない。他社にない機能を盛り込んで安く売るという戦略もあるわけで、例えばユニクロのヒートテックは差別化戦略の一種でありながらも高価格ではない。


最後にポーターが3つ目にあげている「集中戦略」であるが、これは脳足りんがいうところの「どちらかに特化せよ」というものではなく、「特定の範囲に限定して、徹底的にコストダウンや差別化をする戦略」であって、決して「中級路線というのはまずいよ」という話ではないのである。世間一般で言われるところの「ニッチ戦略」よろしく、特定のセグメントで徹底的にローコストをすすめ、他社には真似のできない差別化された製品やサービスを提供しても良いのだ。ある意味、それができたら高収益企業となる。そういう意味ではユニクロは好例だ。ベーシックカジュアルに特化しながらもヒートテックなど機能性ウェアを開発して差別化も行い、製造コストや販売コストを下げて、低価格帯〜中価格帯でビジネスを展開している。そして、誰もが知っている日本一のアパレル企業であり、高収益企業である。


今更遅いが、山田修Jr.に経営能力があれば、65歳を過ぎてわざわざ自分の売り込みや報われない執筆活動などしなくても大金持ちになって老後を悠々自適に満喫できたはずだ。しかし、それは叶わなかっただけのことだ。であれば、むしろ役に立たない間違った経営手法を講釈するのではなく、静かに隠居生活を送ってもらったほうが社会貢献と言えるだろう。


性懲りも無く、「ビジネスジャーナル」はそんな間違った内容を掲載し、汚泥を世間に垂れ流している。早速抗議の連絡を入れることにする。


ビジネスジャーナル「父娘戦争に勝利した大塚久美子社長の正念場」
http://biz-journal.jp/2015/11/post_12506.html

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